インドからのレポート

2014.08.05 Tuesday

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    こんにちは
    今回は東北楽天ゴールデンイーグルスの秋田氏よりコラムを頂きました。

    2014年1月2日@インド・ゴア。
    インド野球代表チームが隣国であるパキスタン代表との友好試合へ向けてキャンプを行っていた。開催は同月末に予定されていた。
    選手たちはインド各地の野球協会が選定した精鋭。
    何と言っても体が大きい。彼らを最初に見た印象だ。
    身体能力が高そうな、がっちりとした体つきの選手が多い。
    190cm以上の選手も数人いた。
    ウォーミングアップ。
    ストレートに走らせると速い。
    しかしキャリオカやバック走など、細かな動きが苦手なようだ。

    打撃練習。
    迫力ある豪快なスイングをする。
    インドの国技はクリケットということもあって、スイング動作そのものには小さな頃から慣れ親しんでいるのだろう。
    金属バットではあったが、遠くにボールをガンガン飛ばしていた。




    投球練習。
    クリケットでは投球の際に肘を曲げてはならない。
    その影響を強く受けており、全員がいわゆる“アーム投げ”になっている。
    エース投手の最速は130km/h


    守備練習。
    ショートがボールを捕ってから2、3歩ステップを踏んでからアーム投げでファーストに投げ込んでいる。
    スナップスローという概念が無い。
    日本の野球選手の体の使い方を伝えることが正解ではないと思う。
    彼らのこれまでの経験や体つき、技術レベルなどを踏まえた上で、さらにその前提となる体を考えて、トレーニングコーチとして何ができるか。
    今回集められた選手は教育レベルが高く、素直な選手が多かった。
    全員が真剣に取り組んでいて吸収力が高かった。



    コーチングに優れた指導者が現地に住み込み、指導を続けられれば、日本のプロ野球にインドの選手が現れる日はそんなに遠くはないだろう。
    WBCやオリンピックには参加できないが、世界のいろんなところで野球が行われている。
    行われるはずであったパキスタン代表との友好試合は延期になった。
    パキスタン情勢が悪化し、ビザが発行されなかったらしい。
    インドとパキスタンの間では何度か戦争が勃発し、常に緊張状態にある。
    そんな二国間の試合だからこそ、大きな意義がある。



    東北楽天ゴールデンイーグルス
    秋田佳紀
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