広島東洋カープキャンプ中の投手S&Cに関して

2014.05.16 Friday

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    今回は広島東洋カープの根本氏より投稿を頂きました。

    広島東洋カープでストレングス&コンディショニング(S&C)を担当している根本です。
    今回はカープで行われている投手のキャンプ中のS&Cについて紹介したいと思いす。
            
      
     秋季キャンプ・春季キャンプには、それぞれに方針や強化したい目的があり、来るべきシーズンに向けて体力強化の準備の期間でもあります。また選手のコンディショニングを高める以外にもシーズンに向けて教育の期間でもあると思います。

    カープ投手のトレーニングは、他のスポーツのS&Cと同じように筋力強化、けが予防、パフォーマンスの効率を上げるための動きの改善を目的として行います。

    キャンプ中は、これらの目的をカバーする為に5つの項目のトレーニングを行います。
    ランニングドリル、下半身強化、体幹、ショルダープログラム、ウエイトトレーニングで構成しています。


    ランニングドリルは、エネルギーシステムを改善する為にインターバル走や400m・200m走などを行います。特に秋季キャンプ、春季キャンプ前半はこういったランニングを多く取り入れています。

    また俊敏性や瞬発力を上げるためショートスプリントやアジリティーを行います。ランニングフォームを意識させる為に坂ダッシュやフォームランも行っています。

    キャンプ中の下半身強化は、なるべくランニングドリルの目的にあわせてメニューを選んでいます。アジリティードリルの際は、アジリティーを行う前に横方向の動きの強化で体の使い方、体重移動の指導をしています。坂ダッシュやストライドを意識したランニングの際は、前傾をとれるトレーニングや股関節の伸展を意識したトレーニングを行っています。ショートスプリントの際は、瞬発系のトレーニングをします。


    体幹トレーニングはクランチ、スタビライゼイション、メディスンボールスローなどをローテーションで行っています。

    ショルダープログラムは基本的には毎日行い、投手全員が一同にできるメニューでキャンプ中は行っています。それをする事で肩のトレーニングが正しいフォームで行われているか効率よく確認できます。

    ウエイトトレーニングに関しては、ほかの4つ項目のトレーニングとは違い全員同じメニューではありません。その為に各選手がそれぞれのメニューをそれぞれの頻度、強度で行っています。


    シーズン中は限られた時間の中で、それぞれの選手が試合に向けて個々にトレーニングを行うことが多いです。そのため秋季・春季キャンプを通じてトレーニングの教育、意識、フォームの指導をすることが大切だと思います。こういったトレーニング指導が体力強化、障害予防、パフォーマンス向上に繋がるよう選手たちは日々努力しています。



    今回は大まかにカープ投手陣のキャンプ中のS&Cを紹介させて頂きました。

    広島東洋カープ トレーナー部コンディショニング担当 
    根本淳平

     
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