PBSCCSの会議に参加して

2014.01.30 Thursday

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    千葉ロッテマリーンズの漁野氏より、昨年末に行われたMLBストレングス&コンディショニング会議の報告が届きました。

    この度、
    PBSCCSProfessional Baseball Strength & Conditioning coaches Society)の会議に参加してきました。PBSCCSとは、簡単にいいますと日本のS&C研究会のMLB版です。日程は12月の678日に行われ、会場はフロリダ州オーランドにあるディズニーワールドのホテルで行われました。そしてMLB関係者が一堂に会するWinter Meetingsも同じ会場で9日から本格的に始まる日程になっていました。このレポートでは会議の内容から、Winter Meetingの雰囲気までお伝えできたらと思っています。


     
    会議の参加者はMLBのメジャー・マイナーのフルタイム契約のS&Cコーチが各球団1名ずつの参加で、会議の内容は多岐にわたりました。勉強会として、各球団の取り組みの発表や、外部からの講師の講演が12コマ。さらに会議としてのMLB機構や選手会代表者を招いてのドーピングコントロールの確認や、PBSCCSがどうあるべきかといった会議が4コマ。さらに講演の合間にあるスポンサーのプレゼンテーションが12コマありました。
    68日は半日でしたが、7日は朝の8時から懇親会まで含めて夜11時まで活発な議論が行われました。


     
    まず目を引いたのはS&Cコーチの筋骨隆々な体です。いきなり見せつけられてしまい、文化の違いを感じました。また、サプリメント関係の展示ブースの多さや、ドーピングコントロールについても力を入れているところが日本との違いでした。昨今のドーピング事情を鑑みますと重点を置かざるを得ない状況であると思いますが、あらためてドーピングとサプリメントの境界線について考えさせられました。
    そして会議の中で最も議論が熱くなったのは2日目の終盤で、S&Cコーチの地位向上やチームスタッフとの関係について意見が出たときでした。その議論の中からNSCA創設から始まったS&Cコーチというポジションが各スポーツでは確立されていますが、アメリカの野球ですらまだまだ浸透していないということを知りました。もっとも、英語が理解できなかった私は、会議の後に通訳の方に教えてもらうまでは議論の細かい内容が分からず、発言者の語気が荒くなったのをみて、ヒートアップした雰囲気だけ感じていたのですが…。
     
    さて、最終日の午前中の会議も終わり、会場を後にしようとしていると、これから搭乗予定の飛行機がテキサスの猛烈な吹雪の影響で欠航になっているとの情報が入ってきました。結局、明後日まで飛行機が飛ばないことになってしまいましたが、不幸中の幸い、翌日からのWinter Meeting会場に入ることが可能になりました。少しご紹介します。
    会場の様子は様変わりしており、全米各局の中継ブースがホテル内にいくつも設営され、各球団の関係者や多数のメディアがホテルのフロントからロビー、各会議室までを埋め尽くします。その中にはもちろん日本の球団の方もいらっしゃいます。私は野球関連の見本市(TRADE SHOW)を見学にいきました。出展企業は本当に多種多様で、ピッチングマシンや人工芝、球場のフェンス、サプリメント、グラブ等々、アイデア商品から、ちょっと使えないなといった商品までがとても広い会場に並んでおり、活気に満ちた空間でした。



    今回はPBSCCSの会議に参加するつもりが、思いかけずMLBを構成する様々な分野の仕事を垣間見ることができました。もちろん各球団のGMも参加しており、選手のトレードやルールの改訂まで、様々な決定がなされたことが現地の新聞を通して伝えられていました。2014年のWinter Meetingはサンディエゴで行われますが、どのようなことが起こるのか、今から楽しみです。


     
    千葉ロッテマリーンズ 
    漁野祐太
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