オンライントレーニング教室のお知らせ
S&C研究会は毎年社会貢献活動の一環として、ジュニアレベルの野球選手と保護者を対象とした
トレーニング教室を無料で開催しています。
今回もオンラインにてリモートトレーニング教室を以下の要項にて開催する運びとなりました。
今回のテーマは「ストレッチ」と「柔軟性」です。ストレッチの理論からプロ野球選手も実践している
ストレッチの方法など、ストレッチを詳しく学び障害予防とパフォーマンス向上にお役立て下さい。
また、予約の際に皆様から質問を受付いたします。
プロ野球で活躍する現役トレーニングコーチやジュニアアスリートの指導経験豊富なトレーニング
コーチが皆様の質問にお答えいたします。
どしどしご質問ください。(時間の関係で全ての質問に答える事が出来ない可能性もあります。)
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
期日:2022年3月12日(土)
時間:19:00〜20:30
対象:小中学生の野球選手本人とその保護者
費用:無料
zoomアカウントは申込者のメールアドレスに前日送信いたします。
申込フォームに記載されたアドレスに配信いたしますので、お間違えの無いようにご記入ください。
アカウントが届かない場合もしくはご不明な点があればこちらまでご連絡下さい
sckenkyukai@gmail.com
参加申し込みフォーム
https://forms.gle/DsFx9a7Xv8y363qD9
]]>プロ野球S&C研究会勉強会。初のリモート開催となりました。
楽天ゴールデンイーグルス主催 勉強会(参加174名)
【NPBチーム発表】
1軍:阪神タイガーズ
馬場皇一郎
2軍:千葉ロッテマリーンズ
根本淳平、只川宏
海外研修報告
庄村康平(楽天ゴールデンイーグルス)
【講演?】
馬見塚先生(ベースボール&スポーツクリニック)
【講演?】
森下義隆先生(立命館大学)
【講演?】
神事努先生(國學院大學)
「アスリートの栄養・食事」
【MLB講演】
Brett McCabe(New York Yankees)
楽天ゴールデンイーグルス主催 トレーニング教室(参加60名)
楽天アカデミーの選手、
【球団プレゼンテーション】
「パワー」庄村康平(楽天ゴールデンイーグルス)
「アジリティ」水野裕都(中日ドラゴンズ)
「体幹」大宜見諒(横浜DeNAベイスターズ)
「障害予防」中務正幸(株式会社NeeDS代表)
例年であれば勉強会の様子などの写真をアップして紹介しています。しかし今年はその画像がありません。
今日の画像はこの勉強会で唯一、複数人で対応してくれた事務局のみなさんの様子です。
もちろんマスク着用にて感染症対策をしながらの作業となりました。
講演画像の共有や動画の再生。ご協賛頂いた企業の皆さんのプレゼン対応など、タイムスケジュールに追われながらの運営でした。
初めてリモート開催ですので、何が準備できて、何が準備できていないのかも分からない状態から始めました。
コロナ禍の下、開催が困難な状況でしたが、リモートでの開催が出来たことが、必ず今後に生きると思います。
参加者の皆様。ご多忙の中、ご参加いただきありがとうございました。
ご協賛、ご協力頂いた皆様ありがとうございました。
S&C研究会代表
三木安司
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S&C研究会のメンバーも多く登壇致します。
ぜひこのカンファレンスもチェックしてみてください。
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期日:12月4日(水)
場所:神戸商工会議所会館
https://www.kobe-cci.or.jp/
参加費:1万円(懇親会費込み。
時間:9時30分受付開始
プログラム
球団発表 オリックスバファローズ、西武ライオンズ
講演?岡村浩嗣先生 大阪体育大学 「アスリートの栄養・食事」
講演?瀬戸口芳正先生 医療法人MSMCみどりクリニック 「投球障害のストーリー、静的・動的支持機構の役割」
講演?Matt Tenney アリゾナダイヤモンドバックス
18時〜 懇親会
CEU:
JATI 1.75
NSCA 0.55 カテゴリーA
NATA 申請中
受講申し込み方法:
以下のフォームから各個人で行って下さい。
申し込みフォーム
https://forms.gle/
数日中に返信メールが届かない場合はS&C研究会事務局までご連絡下さい。
sckenkyukai@gmail.com
申し込み期限:2019年11月15日
勉強会当日の注意点
1、勉強会当日にお昼休み(昼食時間)はありません。
2、会場にゴミ箱はありません。
3、会場周辺にコンビニなどがありません。
ご不明な点はS&C研究会事務局までお問い合わせください。
sckenkyukai@gmail.com
担当 多田久剛
昨年末、福岡ソフトバンクホークスの鳥井田淳氏がラスベガスで行われたMLBウィンターミーティングに参加されました。
その報告書が届きましたので以下に掲載いたします。ぜひご一読下さい。
文中の〇番号は下の写真の順番です。写真データに番号がふれなかったのですが、合わせてご覧ください。
<2018MLBウィンターミーティング研修/フェニックス施設見学>
今回、日本プロ野球S&C研究会代表としてフィットネスアポロ/カイザー社の協賛の元、6泊8日(12月6日~12日,13日帰国)のスケジュールでラスベガスでのMLBウィンターミーティング研修、アリゾナ州フェニックスでの施設見学に参加させて頂きました。今回の研修に参加する上での個人的な期待としましては、6年ぶりに訪れるアメリカ本土(2003年~2012年までモントリオール・エクスポス/ワシントン・ナショナルズでマイナーリーグアスレチックトレーナーとして活動)にて、野球やトレーニング、スポーツ医学に関わる人々の生の声を聞き、6年前との変化を感じ取る機会を得る事でした。結論から言わせて頂くと…アメリカは本当に物事が進むスピードが速く、常に進化しているという事を改めて実感させられた研修となりました。具体的な話をまずはMLBウィンターミーティングから紹介させていただきます。
私自身、アメリカで10年間マイナーリーグのアスレチックトレーナーとして働いていましたが、ウィンターミーティングに参加するのは今回が初めてでした。S&C研究会を通じて毎年参加されている方々が以前のブログでも触れられていますので、ウィンターミーティングそのものについての紹介は省かせていただきます。私が参加させていただいたのは、MLBのストレングス&コンディショニングコーチが参加し、トレーニングやコンディショニングに関するトピックスを紹介したり、話し合ったりするシンポジウムです。今回の開催場所はラスベガス。人生で3回目の訪問でした。簡単に言うと、カジノとショーの町です。そんな町の中でも一際目立つ、金色に輝くMandalay Bayホテルが会場でした。?? よくこんな町でシンポジウムを。。。。と思うくらいたくさんの誘惑に負けそうになりますが、適度にいろんな誘惑とも付き合いながら3日間のシンポジウムに参加してきました。
PBSCCS(Professional Baseball Strength & Conditioning Coaches Society)と名づけられたこの団体はMLB30球団とその傘下のマイナーリーグのストレングス&コンディショニングコーチで構成され、1993年に設立されました。設立当事は5名しかメンバーがいなかったとの事です。今回の出席者は約200名との事で、この約25年の間に急激に会員が増えています。その大きな要因として、各球団が各マイナーリーグチームのS&Cコーチをフルタイムで雇用している事が挙げられます。ここでいうフルタイムとはオフシーズンも含め年間で契約している(給料がもらえる)コーチで、保険などの福利厚生も年間で含まれています。パートタイムの契約の場合はキャンプからシーズン中のみ(3月~9初めまで)の契約で保険なども付いていない場合がほとんどです。私がマイナーリーグで働いていた2012年までは、ほとんどの球団ではフルタイムで雇用されていたS&Cコーチはメジャーに1ないし2人、マイナーではコーディネーターのみ、もしくはAAAレベルまで、といった状況でした。AAAもしくはAA以下のチームにはパートタイムで雇われているS&Cコーチがほとんどでした。つまり1球団に3~4人ほどしかいなかったフルタイムのS&Cコーチが現在はマイナーリーグ各チームのS&Cコーチを含めると少なくとも8~10人(各球団マイナーリーグのチームを6チームほど抱えているので)いることになります。これはこの5~6年間で驚くほどの変化だと感じました。また、全ての球団の状況を確認したわけではありませんが、会場には多くの球団の管理栄養士の方々(多くは女性だと思われます)の姿も見られました。これも近年各球団が改善に力を注いでいる分野だという事を同行していただいたカイザーのダンさんからお聞きしました。??
話をシンポジウムに戻しますと、初日の6日はウェルカムパーティーが開かれ、出席者が立食式でドリンクや軽食を頂きながら交友を深めました。この時に、ワシントン・ナショナルズで私が在籍していた当時はAAのS&Cコーチ(パートタイム)をやっていて、AAのトレーナーとS&Cコーチの間柄で一緒に働いていたトニー・ロゴ―スキー(すいません写真は無いです。。。) に出会いました。彼は今、ナショナルズのマイナーリーグのコーディネーターをしているとの事で(もちろんフルタイムで)、時間の経過を感じてしまいました。また、僕がAAAのトレーナーをしていた当時(2011年)、相手チーム(ボルチモア・オリオールズ傘下のAAAチーム)のS&Cコーチとして働いていた内藤良亮君にも出会いました。現在はオリオールズのメジャーのS&Cコーチとして働いているとの事で、彼の活躍ぶりを聞いてうれしくなりました(これは写真あります)。? お互いに久しぶり過ぎて、自己紹介をして名前を聞いてから気付くという有様でした。他にも他チームのマイナーで働いていたS&Cコーチがメジャーのコーチになっていたり、ナショナルズにいた時のメジャーのS&Cコーチが違うチームのメジャーのS&Cコーチになっていたりと時の変化を感じながらもとても懐かしい時間を過ごさせていただきました。
翌日、7日はシンポジウム初日。会場で朝食を頂いて午前9時のPBSCCSプレジデントのBrendon Huttmann(Pittsburgh Pirates Director of Performance Science)の挨拶からシンポジウムが始まりました。今回のシンポジウムに参加して新に発見した事がいくつかあったのですが、このDirector of Performance Scienceという肩書きも初めて見る役職でした。日本語で言うなら、「科学パフォーマンス管理者」とでも言うべきでしょうか? 選手の動きを科学的根拠に基づいて管理、改善していこうという仕事なのでしょう。役職について具体的なお話は聞けませんでしたが、イメージとしては、フォースプレートやスタッツキャスト(ステレオカメラやレーダーを使って選手やボールの動きを瞬時に分析するもの)などを使ってデータを元に選手のパフォーマンス指導をしていくといった感じでしょうか。このような役職も6年前には聞いた事がありませんでした。
今回のシンポジウムで印象に残ったプレゼンをいくつか紹介させていただきます。まずはシンポジウム最初のプレゼンだった、Mayo ClinicのDr. MJ Joynerによる「Using Sports Science In The Real World」。このプレゼンでは様々なスポーツ(特に近代オリンピック種目)と野球を比較してみると、道具やルールの進化、改善が及ぼす技術や競技そのものの発展という点では、野球は道具、ルールの進化の恩恵を受けにくいスポーツであるという紹介から始まりました。例えば、走り高跳びを見てみると、マットの品質の向上によりいわゆる「はさみ飛び」から「背面飛び」が考え出され(ちなみに最初の発案者はカナダ人の女子高校生という説を紹介していました)、それから記録が飛躍的に伸びたという紹介がありました。また、棒高跳びでは棒の素材が竹からグラスファイバーに変わり、こちらも記録が飛躍的に伸びたとの事です。競泳選手の水着やスピードスケートのスラップスケートなども紹介していました。これらの例を野球に照らし合わせると、グラブやバット、ボールの品質の向上の及ぼす捕球技術、投球速度、打球の飛距離(又はミート力)などへの影響は、今日我々が携わる、コンディショニングやトレーニングの進歩に比べるとそれほど大きなものではないのではないかという結論でした。特に、現在は各チームで管理栄養士を抱え、選手の食事をも管理している事もふまえ、道具やルールよりもアスリートとしてどれだけ自分を進化させる環境があるか(トレーニング、食事を含むコンディショニング、リカバリーなど)という事の方が、野球においてはその発展に大きく寄与しているのではないかというお話でした。
2つ目に印象に残ったプレゼンは、UFC Performance InstituteのPerformance部門部長のDr. Duncan Frenchの「Lessons from the Octagon: Reverse Engineering Performance in World-Class MMA」でした。いわゆる総合格闘技団体専属のコンディショニングコーチの方の講演でした。このプレゼンではとにかく内容が細かく、個々の選手のパフォーマンスを最高のものにする為に、トレーニングはもちろん、心理的要素や、目標達成までの具体的な考え方などを構成することまで含まれており、コーチングの要素も多分に含んだ内容でした。具体的な目標設定では、選手の体型(性別、階級別)に合わせ、カウンタージャンプの高さや、ピークパワーを細かく数値設定するといった内容でした。また、年間を通じてトレーニングに対する運動生理学的なストレス反応やリカバリー反応(副交感神経系活動の必要性の向上)を記録して選手のコンディショニングを管理し、エクササイズ毎に動作の最高速度や最高出力、パワーの最大値などの計測、技(打撃系、キック系、掴み合い系)によるパワーや出力の違いなど、細かい項目からのデータに基づくトレーニング方法の算出をするなど、いかに多くの根拠に基づいてトレーニングを行っているかということが分かりました。内容があまりに細かすぎて、このプレゼンの50%も理解できたとは思っていませんが、野球においてもポジションによって動きや運動量が違い、体型やタイプ(パワー系、ミート系など)の違う選手が1チームにたくさんいるわけですから、それぞれの選手のチームでの役割を考えれば、個々にトレーニングの内容が違っていてもおかしくはないなと思いました(すでに実行されている球団もあるかも知れませんが。。。)。
これらのプレゼン以外にも、レッドソックスでコンディショニングコーチをされている日本人の百瀬喜与志氏らは、選手をはじめ、チームに関わる人々に心理学的にいかに安全な環境をコンディショニングコーチとして整える事ができるかという内容を講演され、MLBでも心理的サポートをとても重要視しているという事が分かりました。シンポジウムの最後にはパネルディスカッション方式で、プレジデントのBrendon Huttmann氏とサンフランシスコ・ジャイアンツでアシスタントファームディレクターを務めているGeoff Head氏を中心にMLBにおいてPBSCCSメンバーのリーダーシップがいかに進化しているかという内容でディスカッションが進められ、MLBにおけるこの会の役割やこの会において過去にリーダーシップをとってきた方々の功績、そして現在リーダーシップをとっているBrendonや、所属チームにおいてコンディショニングコーチを担っていたGeoff Head氏が現在アシスタントファームディレクターというチームでも非常に重要な役割を担うまでの経緯とこれからの役割などが紹介、話し合われました。ファームディレクターとは、メジャー球団傘下のマイナーリーグ(ドミニカのチームも入れると1球団に約7~8チーム)をすべての面で統括する役職で、私もマイナーリーグのトレーナー時代は、選手の傷害に関する情報はトレーナー間だけでなく、このファームディレクターに逐一報告していました。以前、あるMLBの球団でファームディレクターを担っていた方が、元々はトレーナーとして球団に雇われた方だという話は聞いた事がありましたが、コンディショニングコーチからもそういった人材(アシスタントですが)が出てきている事にMLBの進化していく形を肌で感じる事ができました。
以上が今回のMLBウィンターミーティング、PBSCCSシンポジウムの紹介ですが、全体的に感じた事は、会の最中に何度も講演者や司会の方々が口にしていた、「Players First!!」という言葉が象徴しているように、我々は選手の為にチームにいる!! という気持ちが溢れ、そういう気持ちに対して誇りを持っているという事を十分に感じとれる会でした。また、これからこの会をみんなで盛り上げ、今よりもいっそう球界の為にできる事を模索していこうとする気概を感じ取る事ができました。決して大げさな言い方ではないと思いますが、会の発足した経緯や環境、近年の規模拡大の様子、存続意義など、我々NPBのS&C研究会と共通する部分がたくさんあるのではないかと感じました。?????
シンポジウム以外のラスベガスでの話題ですが、ホテルがメインストリートの両側に立ち並び、通りに仮装した人々が溢れるラスベガスブルーバードの景色、ベラジオの噴水ショー、大きなホテルの全てに併設されているカジノ(これはほどほどに。。。) など一通り楽しむ事ができました。食事は、ホテルウィンラスベガスの中にある「MIZUMI」(名前の意味はちょっと分かりません。。。) という日本食レストランのお寿司が意外 (?) にもおいしかった事にびっくりしました。
さて、ラスベガスでの濃密な3日間のあと、1時間ほどのフライトを経てアリゾナ州フェニックスにやってきました。研修4日目の9日は休日でした。パワースポットで有名なセドナへ行くことになり、ダンさんの運転で約2時間のドライブ。セドナは何度か訪れた事のある町ですが、いつ行ってもその風景に見とれてしまいます。本当に不思議な形、色をした岩の数々。時間が止まっているような感覚になります。ゆっくり町を探索してランチを食べて3日間のラスベガスでのシンポジウムからリフレッシュできました。??? ただ、この時期にジープでのツアーはちょっと寒かったかも。。。ちなみに元アメリカンフットボーラーのジャイアンツの穴吹君はアメリカ本土初上陸にも関わらずこの日は1人でNFLアリゾナカージナルスの試合を観戦に行きました。無事に試合も観戦でき(スタジアム入場時に少々トラブったようですが。。。)、無事にホテルに帰って来ることもでき、最高の休日を過ごせたようです。
翌日は朝からEXOS本部でトレーニング指導やコンディショニングに関するレクチャーをEXOS LAのパフォーマンスマネージャーを務めておられる、リー・チャンホー氏から受けました。リーさんは以前ボストン・レッドソックスのアシスタントトレーナーも務められておりトレーニング指導の中にも野球の動きをふまえた指導をしていただき、大変分かりやすくレクチャーして頂きました。まず、メインエントランスから入ってすぐに目に付くのは「NEUTORITION(栄養)」「MINDSET(考え方)」「MOVEMENT(動き)」「RECOVERY(回復)」という4つのEXOSの中心となる方針が壁に掲げられており????(個人的にはTRAININGではなく、MOVEMENTなんだ!!と感銘を受けました。。。)、その先にはこれまでのEXOSの歴史が描かれていました。??トレーニング指導はカイザーマシンを使って行われ、トリプルトレーナーを使って、片方の足を動かして身体を前後に動かす動作や、長いベルトを身体に巻きつけて捻り動作でのトレーニング指導、AIR300SQUATを使ってのスクワット動作とパワー発揮の基本動作、m3インドアサイクルを使っての負荷を徐々に上げていくヒルクライムプログラムなどを指導していただきました。?㉑㉒ スクワットの指導では、臀部の筋群が活性化しやすくなるように股関節内旋を意識させる方法として、負荷を持ち上げる際に両足で地面に置かれたドル紙幣(両足で踏むくらいの大きなドル紙幣を想定)を左右に引きちぎるイメージで行う(セパレートグラウンド)といった指導法を紹介して頂きました。どのエクササイズも動きは複雑なものではありませんでしたが、身体のどの部分を意識すればいいのか、野球の動作にどういう風に繋がっていくのかなどを丁寧に教えて頂き、強い力を発揮する為の細かい身体の使い方やバランスの取り方などをご指導いただきました。その後のレクチャーは、EXOSで指導者教育の為に実際に使用されている教材(パワーポイント)を使って進められました。㉓トレーニングにおける基礎的な知識(3平面やパワーの定義など)から、目的に応じたトレーニングの方法、日々のトレーニングデザインの例など短い時間で内容の濃い講義をして頂きました。EXOSでは選手にトレーニング指導をする上で、曜日ごとに動きの種類(ラテラルムーブやクイックムーブなど)を決めて行い、種目のタイムやパワーの数値を最優先するのでは無く、動き(Movement)を常に評価しながら指導しているというお話が印象的でした。また、怪我から復帰していく選手に対しては、怪我をしている部位に関わらず、必要な動きを生み出す個々の関節のmobilityとstabilityを重要視しているとの事でした。トレーニングデザインに関しては、上肢、下肢の種目をPrimary(一番負荷の大きな運動)、Secondary(2番目に大きな負荷を使う運動)、Accessory(PrimaryやSecondaryの運動を支える単関節運動)に分け、さらにそれぞれをPull(引く)とPush(押す)に分けてデザインしていくという内容でした。例えば、上肢Pushを行う日であればPrimaryはベンチプレス、Secondaryはインクラインワンハンドダンベルプレス、Accessoryはトライセプスプレスダウンを行い、翌日に上肢Pull、もしくは下肢のPushかPullを行うという風にその日にどの部位のどんな動きをトレーニングするかを決めてメニューを決めていきます。PrimaryとSecondaryの種目は必ず先に行い、休日の前日には一番負荷の高い下肢Pushを行うとのことでした。このPrimaryの種目に関しては、筋肥大を目的に行う場合でも1日に行う種目は1つで十分だとの見解も興味深いものでした。また、動きを評価する上でKinetic linking(動的な結合)とEnergy Leaks(代償動作による動的な結合を生み出そうとする動き)を見極める事が大切になるとのことでした。
野球におけるランニング種目に関しては、Acceleration(加速)とAbsolute(絶対的な)スピードに分けて考えなければならず、野球では直線で走る最大の距離は塁間の距離(約27m)であり(守備においてもこれ以上の距離を直線で全力で走る事はほぼないのではないかとの見解でした)、その距離においていかに加速スピードを上げていくかということを考えればこの距離以上を走る事は必要ないという見解でした。Absoluteスピードに関しては10mダッシュのタイムをいかに向上させるかを考えれば長い距離を走る事は必要ではないとの見解でした。また、長い時間トレーニングを行うと選手がIntensity(強度)を自分でコントロールすることに繋がる為、ランニングも含めどんなトレーニング種目も20分以上は行わないとの事でした。体脂肪減少の目的で行う有酸素運動も、低い強度でただ長い時間行うのではなくインターバル種目を行うほうが効果は高いとの見解でした。
EXOS見学時にランチをここで頂きましたが、最初にメニューが書かれた紙を渡され、肉、炭水化物、サラダ、野菜などの種類と調理方法(ドレッシングの種類を含む)を自分で選択したものを頂きました。ここでトレーニングするアスリートに対しては、専属の管理栄養士がこれらの項目を個々のアスリートの目的に対して選択したものを朝食と昼食に提供しているとの事でした。㉔㉕ 施設の中にはもちろんリカバリーの設備もあり、PTやセラピストもいますが、それらの環境はあくまでリハビリの選手がメインに活用するものであり、その他の怪我をしていない選手に対しては交代浴(屋外に温水、冷水プールを設置)やバイクなどの低負荷のエクササイズ以外のリカバリーの手段はほぼ使用しないとのことでした。
EXOSを見学して感じた事は、トレーニング方法や理論はもちろん、栄養補給、トレーニングに関する考え方などの心構えなど全てにおいて専門性を深く追求し、より質の高いトレーニングをより高い効果を生み出す環境(心理的なサポートも含め)にて提供することが個々のアスリートが目標を達成する為に必要だという事でした。プロフェッショナルという意味を深く考えさせられる体験でした。㉖㉗
EXOS見学の後、午後からシアトル・マリナーズのキャンプ施設があるピオリア・スポーツコンプレックスを訪れました。ここではウエイトルームを見学させていただきました。ここは以前(約10年前)にも訪れたことがあったのですが、その当時よりもウエイトルームが拡張され、屋外でもトレーニングが出来るように改築されていました。マリナーズの施設のすぐ隣にキャンプ施設を構える(キャンプ中の球場を共有している)サンディエゴ・パドレスや同じく今回見学させて頂いた、アナハイム・エンゼルスのキャンプ施設でもこの屋外でトレーニングを行う場所をウエイトルームのすぐ隣に確保しており、メジャーではこのような施設が主流となっているのだと感じました。㉘㉙
今回はフェニックスにあるMLBのスプリングトレーニングの施設を3球団(シアトル・マリナーズ、アナハイム・エンゼルス、アリゾナ・ダイヤモンドバックス)見学させて頂きましたが、1番施設として充実しているなと感じたのは、ダイヤモンドバックスの施設でした。この中で1番新しい施設だという事もありますが、トレーナー室やウエイトルーム、選手ロッカーやフロントオフィスなど、それぞれの施設を使う現場の人達が使いやすいように設計されていると感じました。選手ロッカーや食堂がメジャーとマイナーで分かれていることはもちろんですが、マイナーのロッカーも、レベル(シングルAからトリプルAまで)ごとに分かれているキャンプ施設は初めて見ました。施設に入った瞬間から、メジャーとマイナーの待遇の違いを意識させられる作りになっていました。
今回、私達の見学に付き添ってくれた、ダイヤモンドバックスのメジャーS&Cコーチのネイト・ショウは元々、アスレチックトレーナーとしてマイナーリーグのトレーナーから野球の仕事を始め、なんと私がマイナー1年目の2003年のシーズンは、タンパベイ・デビルレイズのショートシーズンA(シングルAの一番下のレベル)のチームのトレーナーを務めており、私と同一リーグの対戦相手のトレーナーとして1シーズン戦った仲でした。6年振りにアメリカ本土を訪れて、またしても時間の経過を感じさせられる瞬間でした。もう1人、ダイヤモンドバックスのメディカルスタッフで私たちの見学に通訳兼として付き添って頂いたのが、ダイヤモンドバックスのメジャーのマニュアルセラピストとして働いている、谷沢順子さんでした。谷沢さんのお父様は名球会入りされている元野球選手の谷沢健一さんで、順子さんもUSAオリンピック陸上代表チームのトレーナーなど素晴らしい経歴の後、昨年(2018年から)ダイヤモンドバックスに入団されています。施設の説明などはもちろん、これまでのアメリカでの経験や入団された経緯など、いろいろなお話を聞かせていただき、大変お世話になりました。アキュスコープやART、PRI、ドライニードルなど、スポーツ治療の最先端の技術を使ってメジャーの選手を支えているその姿に、同じ日本人として非常にうれしく思い、とてもいい刺激を与えてくださいました。ネイト、谷沢さん、施設見学にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。㉚㉛㉜㉝
今回のアリゾナでのメジャー3球団の施設を見て感じたことは、トレーナー室とウエイトルームがどの施設も隣接し(基本的にガラス張りになってお互いが見えるようになっている)、どちらも大変広いスペースを取っており、選手、メディカルスタッフ、トレーニングスタッフみんなが大変使い易い造りになっているなということでした。特にダイヤモンドバックスのようにコンディショニングスタッフもマッサージセラピストの資格を持っており、治療にも積極的に参加するようなシステムになっているチームにとってはこの設計は欠かせないものだなと感じました。
アリゾナ最後の施設見学は、昨年末から今年の初めにかけてホークスの選手もお世話になった、Fischer Instituteでした。㉞ここは、野球だけでなくアメフト選手などのリハビリ、オフシーズントレーニング施設としてアメリカでも広く知られている施設で、日本人選手で自主トレをここで行っている選手も多くいます。ビジネスオフィスが建ち並ぶ建物の一角に位置するこの施設は、治療とトレーニングのエリアが分かれており、トレーニングエリアはウエイト機材が並ぶエリアとアメフトのフィールドを思わせる長方形の人工芝のエリアに分かれています。治療のエリアにもトリートメントテーブルだけでなく、簡単なエクササイズを行える十分に広い場所が確保されており、アスリートだけでなく、術後のリハビリにここに通う一般の患者さん達もチューブや軽いダンベル、自重でのエクササイズを行っていました。㉟㊱ また、施設の裏側にはブルペンも完備されており、自主トレやリハビリではここでピッチングも行えるようになっているとのことでした。この施設で20年近くPTとして働いている、K-2こと日本人の菅野さんにいろいろとお話を伺う事ができました。㊲㊳この施設には、PT、アスレチックトレーナー、S&Cコーチが連携してアスリートから一般の患者さんまでそれぞれのニーズに合ったサービスを提供しているとの事でした。治療の内容もマッサージやARTなどの手技だけでなく、カッピングやアメリカでも急速に広がりを見せているドライニードル(トリガーポイントや筋肉、結合組織を刺激する鍼を用いた治療)、特殊な器具をもちいたASTYM(写真の器具を用いてグラストンのような手法で行う治療)、下肢を圧迫することで効率よくリカバリーを行えるNorma Tech(ノーマテック)など様々なニーズに応えられるように幅広く行えるようになっているなと感じました。
以上が今回のMLBウィンターミーティング研修/フェニックス施設見学の報告です。冒頭にも述べましたが、久しぶりのアメリカ本土での研修となり、アメリカの野球の現場の空気を6年振りに肌で感じ、全ての事において新しいものを取り入れる事を恐れず、立ち止まらず、進歩していくスピードに改めて驚かされました。個人的には今回の研修の経験は現在の自分の職務において大変いい刺激になりました。アメリカにいても、日本にいても、常にアンテナを敏感にして、自分の提供するサービスが選手、球団にとってより良いものとなるよう進化、進歩していく事を恐れず前進していきたいと、今回の研修を通してより強く思いました。
今回の研修をサポートしていただいた、フィットネスアポロの比佐さん、花生さん、カイザーのダンさん、おかげさまで素晴らしい研修になりました。本当にありがとうございました。また、この研修の機会を与えてくださいました、S&C研究会代表の三木さん、S&C研究会事務局の多田さん、平野さん、塚原さん、この場をお借りしましてお礼を述べさせていただきます。今回は素晴らしい経験を本当にありがとうございました。S&C研究会においてこのような研修のチャンスを毎年のように頂けるというのは素晴らしいことだと思います。毎年、応募しようかどうか迷っておられる研究会会員の方(自分もそうでした)、また、アメリカに行く事に全く興味は無いけれど、現在の職務において新しい刺激を求めておられる研究会会員の方がおられましたら、是非とも応募されることをお勧め致します。感じるものは皆さん多種多様だと思いますが、必ず自己にとっても、自分の所属する球団にとっても、自分がサービスを提供する選手にとってもプラスになることは間違いありません。
最後に今回の研修で参加者みんなに一番評判の良かった食事を紹介します。
IN&OUTバーガー。。。。。㊴㊵
アメリカ感満載のバーガーです。アメリカ西海岸でとても有名なファーストフード店です。アメリカ西海岸にお越しの際は是非1度お試し下さい。
福岡ソフトバンクホークス
2軍コンディショニング担当
鳥井田 淳
大変お待たせいたしました。今年のプロ野球S&C勉強会の概要がまとまりつつありますので皆様にご案内いたします。
期日:2019年12月4日(水曜日)
場所:神戸商工会議所
時間:9時30分受付開始〜17時(懇親会18時〜)
参加費:1万円
対象:どなたでも
今年も国内外から素晴らしい講師をお招きして内容の濃い勉強会を行います。
球団発表
・オリックスバファローズ
・西武ライオンズ
講演1、「アスリートの栄養・食事」
・岡村浩嗣先生 大阪体育大学
講演2、「投球障害のストーリー、静的・動的支持機構の役割」
・瀬戸口芳正先生 医療法人MSMCみどりクリニック
講演、「MLBの取り組み」
・Matt Tenney アリゾナダイヤモンドバックス
講義内容の詳細や申し込み方法などは後日このブログにてお知らせいたします。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
]]>
東北楽天ゴールデンイーグルスの球団発表講演者が変更となりました。
それに伴い、プログラムを修正いたしましたのでご確認よろしくお願いいたします。
9:00 受付開始
10:00 S&C研究会 代表挨拶
10:05 北海道大学整形外科教授 挨拶
スピーカー:岩崎 倫政 教授
10:10-11:30 チーム発表
・1軍 「中日ドラゴンズにおいての取り組み」
講師:宮前 岳巳 氏(中日ドラゴンズ)
・2軍 「東北楽天ゴールデンイーグルスにおけるPushを用いた測定とトレーニングの一例」
講師:庄村 康平 氏(東北楽天ゴールデンイーグルス)
11:40-12:20 協賛企業プレゼンテーション(4社)
12:30-13:45 講演1「バイオメカニクス的視点からの野球トレーニング再考」
講師: 松尾 知之 先生(大阪大学医学系研究科准教授)
13:55-15:10 講演2「野球における体力トレーニングの再考」
講師: 河森 直紀 先生(フリーランス)
15:20-16:35 講演 3「ロサンゼルスドジャースでの取り組み」
講師:Brandon McDaniel 氏(ロサンゼルスドジャース ヘッドS&Cコーチ)
]]>シーズン中になかなか取得できないCEUをこの機会にぜひ取得してください。
NATA-BOC 5.0ポイント(申請中)
NSCA-ジャパン 0.5 ポイント
NSCA-米国本部 0.5 ポイント
JATI- 1.75 ポイント
なお、CEU申請に際し以下の点に関してご留意下さい。
1. 申し込み時に必要なCEUをチェックして下さい。
2. 当日、講習が始まる前に必ずCEU受付カウンターにお越しください。講習後に認定証の受領手続きを行ってください。
3. 当日、身分証明書と共に会員番号のわかるメンバーカードをご提示ください。
4. プロバイダー認定料は当日、各CEUを取得した方の人数で割ります。
金額は当日お知らせすることになります。ご了承ください。
その他CEUに関してご不明な点はS&C研究会事務局の多田までお問い合わせください。
]]>
先日開催を告知しておりましたS&C研究会勉強会の要項が以下の通りまとまりました。
多くの皆様に北海道でお会いできることを楽しみにしております。
『プロ野球S&C研究会勉強会』のお知らせ
拝啓、清秋の候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素はいろいろとご指導をいた
だき厚く御礼申し上げます。
さて、2008 年よりスタートした「S&C 研究会勉強会」。今年は北海道にて開催となりますので
ご案内申し上げます。
今回は日本プロ野球(NPB)のS&C 分野の講演に加えて、メジャーリーグの現役S&C コーチ、
そして今回は、科学的な視点から野球の体力トレーニングを考える機会を設けたいと思い、スポーツ科学の専門家をお招きします。多岐にわたる分野の講師の方々の貴重な経験をお聞かせいただけるまたとない機会です。ご多忙中に恐縮に存じますが、下記のように開催いたしますので、お誘い合わせの上ご参加くださいますようご案内申し上げます。
敬具
記
1. 主催 日本プロ野球 ストレングス&コンディショニング研究会
2. 日時 平成30 年12 月5 日 10:00〜(受付9:00〜)
3. 場所 北海道大学医学部学友会館「フラテ」
4. プログラム
・ S&C 研究会 代表挨拶
・ 北海道大学整形外科教授 挨拶
・ 球団発表
1 軍:「中日ドラゴンズにおいての取り組み 」
講師:宮前 岳巳 氏(中日ドラゴンズ)
2 軍:「東北楽天ゴールデンイーグルスにおけるPushを用いた測定とトレーニングの一例」
講師:関場大輔 氏(東北楽天ゴールデンイーグルス)
・ 講演? 『バイオメカニクス的視点からの野球トレーニング再考』
講師:松尾知之 先生(大阪大学医学系研究科准教授)
・ 講演? 『野球における体力トレーニングの再考』
講師:河森直紀 先生(フリーランス)
・ 講演? 『ロサンゼルスドジャースでの取り組み』
講師:Brandon McDaniel 氏 (ロサンゼルスドジャース ヘッドS&Cコーチ)
・ 懇親会:北海道大学 学友会館1階 大研修室
5. 参加費 10,000 円 (懇親会費含む)
6. 申し込み方法 別紙をご参照ください
7. 問い合わせ S&C 研究会 ファイターズ事務局
・ 高柳(北海道日本ハムファイターズ) shoji_takayanagi@fighters.co.jp
以上
「S&C 研究会 勉強会2018」申込方法
下記4つのStep で申込をお願いします。
Step1 ファイターズ事務局shoji_takayanagi@fighters.co.jp にメール
・ファイターズ事務局 高柳(北海道日本ハムファイターズ)までメールにてお知らせください。
Step2 サイボウズLive にご招待します。
・サイボウズLive の招待メールを事務局より送信させていただきます。
・サイボウズLive とは会議運営に必要な機能が揃っているウェブアプリケーションのグループ
ウェアです。このサイボウズLive 内に本会専用のグループを作成し、最新情報を掲示板に随
時掲載していきます。また各種資料も共有できるようになっております。
・本会はペーパレス会議を目指しております。紙代や印刷などの直接的コストのみならず。印刷
や配布の準備などの時間も削減でき、会議全体をスマートに運営をすることが可能となります。
Step3 サイボウズLive に登録をお願いします。
・サイボウズLive の招待メールより手順に沿ってご登録ください。
・ID はメールアドレスとなります。パスワードは自由に設定してください。
・また事前に所属等のプロフィールをサイボウズLive に登録することで、当日スムーズに受付
をすませて入場していただくことができます。
Step4 会費をお振込ください。
・参加費は下記口座へお振込み下さいますようお願い申し上げます。
・振込口座:三菱東京UFJ 銀行 相模大野支店(767)
普通0295467 名義:S&C 研究会事務局長多田久剛
◆振込手数料は参加者の方の負担とさせていただいております。ご注意ください。
◆お振込の確認ができない場合がありますので、お振込人の名義はお間違えのないようご注意く
ださい。
【キャンセルポリシー】
参加費をお振込後に、お客様のご都合によりキャンセルをされる際は、必ず
shoji_takayanagi@fighters.co.jpまでご連絡下さい。当会のキャンセルポリシーに基づきキャン
セル料が発生することがあります。ご注意ください。
キャンセル料
(1) 勉強会当日7 日前まで:無料
(2) 勉強会当日6 日前から勉強会当日まで:参加費の100%
(3) 勉強会開催後の取消または無連絡不参加:受講料の100%
完了です。 参加登録確認メールをお送りします。
・Step1〜4 が全て完了し確認できましたら、参加登録確認メールを送信させていただきます。
ご不明な点がありましたらお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
【勉強会/懇親会】北海道大学医学部学友会館「フラテ」
住所 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目
https://www.med.hokudai.ac.jp/general/facilities/facilities2/index.html
バス
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JR
|
地下鉄
|
新千歳空港〜札幌駅まで
|
]]>
ご案内が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
今年も素晴らしい講師陣をお招きし、球団発表も充実した内容で準備を進めています。
多くの皆様に札幌でお会いできることを楽しみにしております。
期日:平成30年12月5日(水)
時間:10時〜17時 懇親会は18時から
場所:北海道大学 学友会館 大研修室
内容:(予定)
チーム発表
中日ドラゴンズ
楽天ゴールデンイーグルス
講演1
「野球における体力トレーニングの再考」
講師: 河森直紀先生(フリーランス)
講演2
「バイオメカニクス的視点からの野球トレーニング再考」
講師:松尾知之先生(大阪大学医学系研究科准教授)
講演3「ロサンゼルスドジャースでの取り組み」
講師:Brandon McDaniel 氏
(ロサンゼルスドジャース ヘッドS&Cコーチ)
懇親会
申し込み方法などは今後このFacebookやS&C研究会HPにて掲載予定です。
S&C研究会
事務局 多田久剛
]]>S&C研究会事務局の多田です。
前回の投稿より少し時間が空いてしまいましたが、今回は中日ドラゴンズの塚本コーチより寄稿して頂きました。
私の手違いで塚本コーチが寄稿してから掲載するまでに時間がかかってしまったことをお詫び申し上げます。
昨年12月、KAISER社のDanさんはじめ、関係の皆様のご協力のもと、S&C研究会を代表しまして塚本がアメリカに行って参りました。
初の渡米。様々なものを見て、聞いて、感じて…本当に大興奮の毎日で素晴らしい経験をすることができました。
このレポートで私なりの視点で感じたことを皆様にお伝えできればと思います。そして今年の名古屋のS&C研究会運営の参考にできればと思っています。
まずは旅程について。PBSCCS(Professional Baseball Strength & Conditioning Coaches Society)シンポジウムに出席させていただいた後、そしてフロリダ州マイアミにある様々なスポーツ施設の視察させていただくという行程でした。
詳細は以下の通りです。
12月2日〜3日
PBSCCSシンポジウム(Gaylord National Resort & Convention Center)
12月5日
BORAS SPORTS TRAINING(代理人スコット・ボラス氏の顧客専門エリートジム)
MIAMI FC(北米サッカーリーグ)
THE CHAMBER FITNESS(元NFLチェンバー氏の私営のジム)
NEUROCITY JUNCTION(チェンバー氏の関連施設 Neurological Therapy Center)
MIAMI HEAT(NBA)
12月6日
MIAMI DOLPHINS(NFL)
続いて、目的です。
この研修ツアーに参加するにあたり、ただでは帰っては来られないと、私なりに2つの目的を設定しました。
多様性。英語ではDiversity。様々な場面で耳にし、またメディアや活字でも見かけるキーワードです。
「幅広く性質の異なるものが存在すること」「相違点」という意味。最近ではリオオリンピックでこの多様性を認め合うということを掲げ開催されたことが話題となりました。私自身の組織や仕事の成長にもこの多様性が必要だと感じていたタイミングでした。
S&Cの世界でも様々な方法が発達し、十数年前とは比較にならないほどの情報が溢れており、またそれらを基に取り組んだ選手や、S&Cコーチ、トレーナーが入団し、加えて外国人選手を含めるとまさしく様々な側面で「多様化」してきていることを強く感じています。そこで私に必要なことは何か。それは多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れて、それを活かすマネジメント能力が必要であると考えていました。多様な人々が互いの違いを尊重して共に生きる社会であるアメリカMLBの「多様性」を学ぶという視点でこのツアーに臨みました。
そして、せっかくの英語圏。英語での質問をする、伝わらなければ片言で、最後は体当たりで…と、通訳等の助けを極力使わず、異文化に直接触れる事により、自らの気付きや学びのモチベーションが高まるということを期待して臨みました。
前置きが長くなりました、レポートに戻ります。前半をPBSCCSシンポジウム、後半を施設見学ツアーの2つに分けてレポートさせていただきます。
【PBSCCSシンポジウム】
前日にレセプションパーティーが行われました。立食形式で、飲み物を片手に語り合う場です。全体を見渡すと握手とハグがあちらこちらで繰り広げられていました。年に1回各球団からの同業者の会合です。日本のS&C研究会の開始時と同じですね。違いは周囲の身体のゴツさと孤立感でした…。幸いDanさんや部下の方、前年に参加している楽天の星さんなどを通じて、幾つかの球団の方と挨拶と談笑をすることができました、中身薄ですが…。勢いを増した私は、思い切って爽やかな2人に話しかけて見ましたが、MLBのコーチではなく、サプリメントの営業の方だったのは笑い話です。協賛企業の方々でしたね。しかしこのことが後々大きなプラスになるとはこの時予想していませんでしたが。
いよいよシンポジウムです。2日間に渡りビッシリとスケジュールされています。主な演題をご紹介します。
タイトルから見てご理解いただけると思いますが、スポーツ科学・トレーニング関連がやはり中心で6コマ、栄養が2コマ、ドーピング関連と経営陣側の講演がそれぞれ1コマという構成。また10コマ中、MLB現役指導者の講演は5コマ、異業界からはNFL Washington RedskinsのJake氏、NIKE社のKeith氏、FMSのGray氏の3コマ、その他はPittsburgh PiratesのAssistant GMのKyle氏の講演という構成割合でした。その他、合間もしくは最後に定例会議のようなミーティングや、協賛企業のプレゼンテーションなどが加わりました。
巨人軍のジョンさんに訳していただきながら、またプレゼンテーションの資料を見ながら理解に取り組みました。スポーツ科学関連の講演では、共通して最後にS&Cコーチにはコミュニケーション能力が重要な要素となってきていると結論づけていたことが印象的でした。これらの背景には最新機器を用いて、あらゆるデータを取り、各パフォーマンステストやトレーニンングの履歴、その他では試合時の動きなど、ほとんどの事をシステムで管理することが拡大している点があると思います。必要な内容や項目はシステム内に入れば全て情報を手に入れることができる反面、最終的にはS&Cコーチは直接選手と会話をすることのみならず、担当コーチと話をし、協力して選手へのアプローチを行なっていくこと、つまり機械ではなく、人間同士のコミュニケーションが重要だという発表内容が多く見られました。
また、LTAD Programmingを講演されたヒューストン・アストロズのLatin American Strength & Conditioning CoordinatorのRachel氏は、女性ながらMLBのS&C分野で働かれており、またオマハ出身のアメリカ人でありながらドミニカのLTADを担当されているという2つの点から、アメリカの多様性を垣間見ることができました。当然、プレゼンテーションもフロアを動きまわりながらのパワフルな講演だったことが印象的でした。
関連して、楽天の星さんを通じて、ニューヨーク・ヤンキースのヘッドS&CコーチのMatthew氏に話を伺う機会を得ました。こちらはドミニカ出身のマイナーリーガーに対し、日本で言うキャンプ時にその教育をご自身で指導に当たるとのことでした。MLB自体がグローバルに拡大していく中で、現場の指導者の多様性に対する対応が当然とのことでした。田中投手が活躍できている背景にはそういった体制や文化の存在が大きいと思いました。食事をさり気なく共にしていただくなど温かく対応してくれたMatthew氏、感謝です。
その他には、たくさんの情報交換ができるスケジュールの取り方が日本のS&C研究会と大きく違いがあると感じました。まずは朝食や昼食を同じフロアで取れる点です。ここでも同じテーブルになったS&Cコーチの方と色々話をすることができ、有意義な時間となりました。次にVendor Timeとして90分を2回スケジュールされていました。隣の部屋に準備された協賛企業ブースで過ごす時間が充分に確保されており、じっくりと見て、聞いて歩き回ることができ、これもまた英語でコミュニケーションを取ると目的を設定した私にとって貴重で楽しい時間となりました。レセプションパーティー、朝食、昼食そしてVendor TimeとMLBコーチと関わる多くの時間を確保できることは、協賛企業にとって多くのメリットがあり、出資する価値が高まるのではと強く感じました。
【視察ツアー】
後半の施設見学ツアーに入ります。合計で5ヶ所のトレーニング施設を見学させていただきました。
いくつか共通点がありました。まずはゴリゴリのトレーニング施設ではないという点ですね。BORAS、THE CHAMBER、DOLPHINSにはフリースペースというのでしょうか、ウエイトトレーニングを実施できるスペースとは別に、セルフコンディショニングやアジリティートレーニング、ジャンプ、メディシンボール用の壁など多目的に活用できるスペースが非常に広く確保されています。トレーニングの多様性に対応する設計となっており、効率的で機能的な施設という印象を受けました。今後の主流となるであろうといった施設設計でした。
次に即時フィードバックができる機器の活用です。KAISER社のファンクショナルトレーナーやスクワットはその1つです。その他にも、『パワー』を目に見える形で表示し、即時にコンピューター上に数値が示され、具体的な指標を使ってトレーニングができる器具が多くみられました。
さらに、大人数を一括管理するシステムも備えられている施設もありました。全選手の体重や尿検査の結果や比較が即時にモニターに表示されるものや、各クライアントのメニューがタブレット+モニターに表示されるシステムです。先のシンポジウムの協賛企業ブースに、同様な関係の展示が多くあったことも含めると、「ICT×スポーツ現場」というテクノロジーを駆使するという潮流を肌で感じることができました。
最後に、対応していただいたS&Cコーチの方々のお人柄について。本当に素晴らしい「おもてなし」をしていただきました。誠実で情熱的でユーモアがあって論理的で…あげるとキリがありません。選手とのコミュニケーションも素晴らしいものだろうと想像できました。また案内中の他のスタッフとのやり取りを見ても、チーム内での信頼の高さも伺えました。そしてKAISER社のDanさんとなど、メーカーとユーザーの良好な関係も感じ取ることができました。
【運営面】
シンポジウム、見学ツアーに続きまして、最後にシンポジウムの運営面についてのレポートです。
・年1回の特別な会合。妥協のないタイトなスケジュール
・協賛企業との時間とスペースを大きく確保
・アプリなどのICTの活用
・シンポジウムオリジナル、団体オリジナルグッズの活用
・トレーナー部門との連携(場所・協賛ブースなど)
以上が運営面で参考になった点です。予算、環境等に差があるにしても、全参加者にとって有意義になるもの、価値あるものにすることを考えると、大変参考になる運営体制と感じました。これらの経験をもとに実現可能なものを探りながら色々と提案させていただき、S&C研究会独自のものを生み出せるよう、協力して開催の準備を進めたいと思います。
レポートは以上となります。41歳で初めての渡米。本当に素晴らしい経験をさせていただきました。シンポジウムと現場見学を通じて、当初の目的であった「多様性」に関する情報に関しましては、満足とは言えませんが様々な事を見て、感じることができました。そしてフィットネス大国のアメリカも「テクノロジーが本物の指導者に成り代われるのか」といったジレンマにあることがわかり、S&C界にもICT分野の革新が凄まじい勢いで進む中で、選手に対して私達しかできないことは何なのかと改めて考えさせられました。同時に新しいトレーニング理論、様々なところからの新入団選手、そして新しく変わる体制といった多様な環境におけるリーダーシップこそが、私達のスポーツ現場により必要であることは間違いないと確信しました。
最後に、このような機会を与えてくれた日本プロ野球S&C研究会の皆様、KAISER社のDan氏、同行して頂いたフィットネスアポロ社の比佐仁さん、央さん、巨人の伊藤さん、ジョンさん、楽天の星さん、そしてその他MLB関係者の皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
中日ドラゴンズ 塚本 洋
]]>先日行われたS&C研究会主催の勉強会についてレポートします。
11月30日
今年も京橋にある明治ホールディングス(株)様の講堂をお借りして勉強会が行われました。
全国からプロ野球、社会人野球、独立リーグで活動されているトレーナー・コンディショニング担当が集まり、
また協賛企業も12社にご協力頂き、総勢140名を超える大きな会となりました。
プログラムも毎年充実しており、今回ご登壇いただいた先生方にもその豊富な知識と、現場経験に基づく斬新なアイデアを存分に披露していただきました。
プログラムの内容は以下の通りです。
武井敦彦氏 Passion Sports Training代表 ATC, PES, CES, PRT, CTPS
『Postural Restoration Institute®(PRI)の理論と実践』
橘内基純氏 ヤクルトスワローズ Ph.D、日体協AT、NSCA-CSCS、JATI-ATI、NASM-PES/CES、健康運動指導士
「S&Cデータから見るプロ野球」
中原啓吾氏 ソフトバンクホークス 日体協AT
「Inbody計測によるシーズン中の体組成変化の傾向と計測値の活用について」
Jeff Libengood 楽天ゴールデンイーグルス
『 楽天ゴールデンイーグルスでの取り組み』
Jose Vazquez テキサスレンジャース
『Training numbers by position』
S&C勉強会はかねてよりNATA-BOCとNSCA-JAPANのCEUプロバイダーとなっていました。
さらに今年は新たにJATIの継続単位を付与することが出来ました。
S&C研究会と名称を改め、外部講師に来ていただくようになってから今年で8年目になります。
トレーナー及びトレーニングの各協会から認められ、継続単位を付与できるようになったのは、
今回、そして過去にご登壇いただいた先生方のご協力とS&C研究会のコアメンバーが誠実に取り組んできた結果だと思います。思います。
今回の勉強会は千葉ロッテマリーンズが主催球団でした。
楠さんはじめマリーンズのコンディショニングスタッフの皆様、大変お疲れ様でした。
さて来年は三木会長のお膝元、名古屋での開催を予定しています。
中日ドラゴンズのメンバーはすでに準備を始めていると思います。
また新たなステップに向けてどんな勉強会になるのか、今から楽しみです。
S&C研究会の情報はFacebookでもご覧いただけます。
Facebookもぜひご覧ください。
]]>
今回はOBメンバーの石原慎二氏より台湾で行われたコンディショング講習会の報告をいただきました。
7月1日から3日間、台湾にてアマチュア野球指導者講習会が開催されました。
今回は三木代表からのご推薦で、SC会を代表して台湾のアマチュア野球指導者の皆様に「野球のコンディショニング」について講演と実技指導を行ってきました。
3日間の講習会は「バッティング」「守備」「ピッチング」「コンディショニング」で構成され、講師は全員日本人です。横浜大洋〜楽天〜DeNAで長年に渡り捕手を育て続けてきた高浦美佐緒氏。往年の沢村賞投手・遠藤和彦氏。読売〜中日でご活躍され、中日ではトレーニングコーチもされた仁村薫氏。そして元阪神トレーナーの私の4名です。
100名前後の受講者を二組に分け、それぞれの講師が得意分野の指導を数時間ずつ交代で指導しました。
勿論、指導者講習会ですので技術を指導するのではなく、いかに選手を指導するかに徹しての講習会でした。
さて、私はコンディショニング部門の担当です。台湾に到着するまでは「少年野球の指導者」が対象と聞いていました(思い込んでいた?)。しかし実際の受講者は少年野球、中学野球、高校野球、大学野球、女子ソフトボールの指導者達。 そして台湾の現役プロ野球選手や一般のファンの方・・・。とても幅の広い受講者層であることが講習会前夜になって知らされました。熱烈歓迎の酒席の後で、ホテルに戻ってからパソコンを開き、幅広い受講者達に合わせてスライドを一から編集しなおしました(笑)。
初日の座学講演では、「野球選手のコンディショニングを構成する事柄」「選手と指導者のコミュニケーション」
「目標設定の方法」「反復練習の意義」等についてお話をさせていただきました。質疑応答においては「走り込み」「投手と野手のウエイトトレーニングの方法」「ストレッチングはどれくらい必要?」等の質問で予定時間を軽々と超えてしまいましたが、受講者の皆様には満足していただけたと思いました。
二日目は大学野球部員達への「セルフケア」について投手と野手に分けて指導。
三日目は初日の受講者達を相手に、「股関節の動きを意識したウォームアップエクササイズ」「様々な方法で行う体幹トレーニング」「キネティックチェーンとスタビリティを意識した全身の自体重トレーニング」等を受講者の要望に合わせて行いました。
台湾指導者達はトレーニング指導の勉強をする機会が多くないという印象を受けました。インナーマッスルという言葉さえも聞いたことがない人も多数いました。また、現地の「野球トレーニング専門家」達はみんなボディビルダーの様なマッチョばかりで、数十年前の「ひたすら筋肉を強くする」的な考えで指導していることもわかりました。
三日間の講習会を終えてわかったことは、技術指導を行える人材は沢山いるが、トレーニング指導を行える人材が少なく、コンディショニングについて勉強する機会が少ないということでした。次の機会があれば、より明確なミッションをもって彼らと接することが出来ると思います。
この貴重な機会を与えていただいたS&C会に感謝いたします。また報告が遅くなりましたことをお詫びいたします。ありがとうございました。
石原慎二
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